
テコンドーは、韓国発祥の武道であり、現在では世界的な競技スポーツとして発展しています。その特徴は、何といっても多彩な蹴り技にあります。
武道の中でも、蹴り技の比率が非常に高く、素早い動きと高い身体能力を必要とするダイナミックな戦いが展開されます。
特に、ジャンプを伴う回し蹴りや、高速で繰り出される蹴りのコンビネーションは、他の格闘技にはない独特の魅力を持っています。
テコンドーの歴史は比較的新しく、1955年に韓国で正式に命名されました。それ以前は、日本の空手や中国武術の影響を受けた武術が韓国国内に存在していましたが、独自の体系を持つ格闘技として発展したのがテコンドーです。
1960年代以降、韓国政府の支援を受けながら海外への普及が進み、現在では世界200以上の国と地域で競技人口が増えています。
テコンドーの試合は、主にオリンピック競技として採用されている「ワールドテコンドー(WT)ルール」と、フルコンタクトで戦う「国際テコンドー連盟(ITF)ルール」の2種類に分かれます。ここでは、より広く行われているWTルールについて説明します。

試合は、通常3ラウンド制で行われ、各ラウンドは2分間(ジュニアや一部大会では異なる場合あり)で構成されます。試合は円形または正方形のコート内で行われ、選手はヘッドギアやプロテクターを着用して安全性を確保しながら戦います。
テコンドーの得点は、攻撃の種類や成功度によって異なります。基本的に、蹴り技による攻撃が高く評価され、パンチによる得点は限定的です。
胴体への蹴りは2点、回転蹴りを成功させるとさらに加点される仕組みになっています。頭部への蹴りは3点、回転を加えた場合は4点以上が与えられるため、技の難易度が高い攻撃ほど得点につながる仕組みとなっています。
テコンドーは、2000年のシドニーオリンピックから正式種目として採用され、以降、世界的なスポーツとしての地位を確立しました。
オリンピック競技の中で、打撃系格闘技として唯一採用されているのがテコンドーであり、その華麗な蹴り技とスピード感あふれる試合展開が、多くの観客を魅了しています。
オリンピックでのテコンドー競技は、男女それぞれ4階級に分かれ、各国の代表選手がメダルをかけて激しい戦いを繰り広げます。
特に、韓国や中国、イラン、トルコなどの国々は、世界的に強豪国として知られており、オリンピックでも安定した成績を残しています。
また、日本も近年では若手選手の活躍が目立ち、国際大会でのメダル獲得が期待されるようになっています。